しらふ倶楽部

漫画と劇画の懐かしき日々

「『ガロ』と北海道のマンガ家たち展」記念誌

「『ガロ』と北海道のマンガ家たち展」記念誌
(市立)小樽文学舘 2016年
ガロの元「編集長長井勝一没後20年」での企画があり、その記念のパンフレットを最近借りたので読んでみた。

類似の特集雑誌などを読んではいないが、本書は小冊子ながら、充実した内容になっていると思う。武田巧太郎、高野慎三山中潤、各当事者たちの文は、単なる回想にとどまらず、この分野の歴史の重要なひとコマをよく描いている。微妙な意見の食違いや、本人の反省の弁なども書かれ、2016年当時ガロについて一般誌ではとりあげられることもあまりなかったとすれば、この一冊は貴重なものであろう。(内容については略)

『ガロ』と北海道のマンガ家たち展

作家代表として鈴木翁二氏の10代のころの回想記もある。父や自死した高校教師などが氏にとって重要な人物であるように読める。1少年漫画、2貸本漫画、3ガロ、の順で、小学生時代から上京のころなどのことが書かれる。
1 少年漫画時代は、少年雑誌を真似たものを作ったとか(私もやりました)。
2 貸本劇画については、「粗雑な絵」が特徴の一つといい、作者と読者の距離感の近さ、少年の自分でも書けそうな近さのことをあげている。
3『ガロ』については、最初に同誌を与えてくれたのが父親だという話は、独特だろう。

貸本屋は、昭和30年代の全盛期には全国で数万軒もあったらしく、中には1坪半くらいの小さい店もあった。徒歩で5分か10分くらいの範囲に1000軒の所帯がある場所なら、成り立ったろう。
そうでない場合は、農家や自営業の子は、学校から帰っても家の仕事の手伝いがあるのが普通で、けっこう忙しい。我が家でも風呂焚きなどを子どもが担当したが、ある時期に石油で風呂をわかすようになってから、子どもの仕事がなくなった。貸本屋のあったところは、銭湯があったところでもあるので、そういうところでは、子どもの風呂焚きの仕事はなかったことだろう。