しらふ倶楽部

昭和の漫画(劇画)を遠望する

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

万力のある本棚(つげ義春編)

『つげ義春漫画術』は、つげ氏の全作品をふりかえってのインタビューが中心の本で、索引は特にない。そこで、話題に出た本と著者の名前を、リストアップしてみた。当時つげ氏が読んでいた本、作品のヒントになったり影響を与えたかもしれない本などの一覧と…

つげ義春作品の探偵物的要素

つげ義春について、短編が主ではあるが、物語やストーリー展開の「上手さ」ということは、たびたび指摘されている。『つげ義春漫画術』という長時間インタビューの本によれば、つげ氏の若い時代には、探偵小説では、横溝正史のようなおどろおどろしいものは…

水木しげるの「妖怪について」というエッセイ

あまり知られていないかもしれないが、昭和の終りのころ『民族宗教研究』という雑誌があり、創刊号は昭和55(1980)年12月1日発行、 創刊号の巻頭には、水木しげるの「妖怪について」というエッセイが掲載された。https://www.kosho.or.jp/products/detail.php…

「母もの」と継子物語

(上の画像は、つげ義春の『ねじ式』の一場面。) 『寺山修司対談集 浪漫時代』(河出文庫)の中に、「母」と題する石子順造との対談がある。石子氏の晩年の『子守唄はなぜ哀しいか』(1976)が出た直後のものだろう。「母もの」といわれる映画や文芸をめぐっ…

手塚治虫の代表的作品ベスト15

手塚治虫について、代表的な作品を10~20程度を選んでみるのも一興かと思い(15作品を選んでみた)、作品を思い出してみると、昭和20年代の単行本では『化石島』と『罪と罰』が良いと思う。どちらも20年代後半(1950年代前半)の作品で、手塚人気は20年代前半…